離婚問題の解決に至る法的手続きは以下の通りとなります。
このページでは「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」「和解離婚」を説明いたします。
協議離婚
離婚をすることに夫婦双方で話し合って合意する手続です。
離婚届に双方が記入・署名・押印して、どちら一方が市役所に提出すれば成立します。
【メリット】
・簡単で早い
・費用がかからない
・内容を柔軟に決めることができる
【デメリット】
・決めた内容が守られなかったときに、すぐに強制的な手続が取れない
*公正証書による離婚協議書の作成
*離婚届を勝手に出されるのが心配な場合は「不受理届」を出しておく必要があります。
調停離婚
家庭裁判所に、夫婦関係調整(離婚)調停の申立
◎裁判所の場所…相手方の住所地 または 当事者で合意した場所
*本人出席が原則
離婚成立には、意思確認のため本人出席が必要になります。
*相手の住所が遠方の場合は、電話会議という方法があります。
【メリット】
・決めた内容が守られなかったときに、強制的な手続が取れる
・間に調停委員が入ってくれるので、面と向かって相手方と離さなくてもよい
・訴訟では得られないような結論でも、当事者双方で合意ができるなら内容を柔軟に決めることができる
【デメリット】
・申立をしてから第1回目の調停が行われるまでに約1か月以上かかることが多い
・あくまでも話し合いなので合意ができないと成立しない
*調停に代わる審判
大まかな部分で合意はできているが,本人が出席できない特別な場合など、裁判所が「審判を出す」という形で終結します。
裁判離婚
家庭裁判所に、離婚訴訟を提起する方法です。
*「調停前置主義」…原則として先に調停をしていることが必要
⇔【例外】生死不明、行方不明、心神喪失状態、服役中 等
◎裁判所の場所は 相手方の住所地 または 自分の住所地
【メリット】
・必ず結論が出る
・決めた内容が守られなかったときに、強制的な手続が取れる
・原則として本人が行かなくても良い
*尋問手続や和解で離婚する場合は本人出席が必要となります。
【デメリット】
・判決の場合は,決められる内容が限定されている
・時間がかかることが多い
・証拠がないと、主張が認められない可能性が高い
★離婚請求を判決で認めてもらうには、民法770条1項各号の離婚理由が必要です
①不貞行為
②悪意の遺棄
③3年以上の生死不明
④回復見込みのない強度の精神病
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由
和解離婚
和解離婚とは、離婚訴訟の途中で、裁判所から和解が勧告され、当事者双方が合意して成立する離婚のことです。
和解調書は離婚訴訟の途中でも、離婚の合意がなされた場合に作成されます。
和解調書には判決と同じ法的な効力があるため、記された養育費の取り決めや慰謝料の支払い、財産分与などの支払いが滞った時には、強制執行を行う事が出来ます。
なお、和解調書に法的効力があるとはいえ、離婚届の提出は必要です。
申立人は和解離婚確定日を含め、10日以内に市区町村役場へ和解調書の謄本を添えて離婚届を提出しなければなりません。
また、裁判官から和解勧告があっても、納得出来ない場合、必ずしも応じる必要性はありません。客観的な見地から、和解に応じるべきかどうかは、弁護士にご相談ください。