【男性側】離婚調停にて不貞慰謝料請求権や特有財産があることを考慮して有利な条件で不動産売却益を分け合い、財産分与を行った事例

紛争の内容

相談者の方は、配偶者の方から離婚調停を申立てられたとして、ご相談にいらっしゃいました。

配偶者の方は、不貞行為を行っており、こうした状況を踏まえて、なるべく有利な条件で離婚したいというのがご相談者の方のご希望であり、調停手続でこうした主張をすべくご依頼いただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過

調停では、離婚をすること自体に意見の相違はなかったので、主に離婚の条件面が協議されました。

条件面の協議で大きな問題となったのは、ご自宅の不動産についてです。

調停が係属している段階では、ご自宅は配偶者の方とお子様で住まわれていましたが、ご自宅の名義はこちらにあり、ローンもご依頼者の方の名義でした。そこで、自宅については売却を行い清算したいというのが、ご依頼者の方のご希望でしたが、配偶者の方はこれに応じない姿勢を見せていました。

また、配偶者の方から、預貯金についても財産分与の対象とするべきであり、相当額を支払うよう求める主張がありました。

なお、背後では、不貞相手に対する民事裁判も並行している状況でした。

本事例の結末

自宅売却について、粘り強く主張を行った結果、自宅について売却をすることで合意ができました。

また、預貯金などの財産分与についても、粘り強く主張を続けた結果、支払いは一切なし。自宅のみを財産分与の対象とし、そのほかは分与の対象としないことで合意ができました。

具体的には、不動産売却益についても、特有財産(頭金として支出)を主張し、70:30程度の割合で分け合うことができました。

このように、相手の不貞を叩きながら、特有財産を主張し、こちらに大きく有利な条件で解決を図ることができました。

本事例に学ぶこと

調停では、合意さえできれば、ある程度柔軟な条項を作成し解決を図ることができます。

今回は、配偶者の方に不貞行為があったことを理由として、通常の財産分与のよりもかなりこちらに有利な条件で合意をすることができました。

離婚をするにあたって、条件面は大きな争点となります。財産分与は、必ずしも単純なものではありませんから、より有利な条件を獲得するためにも、弁護士にご相談いただけますと幸いです。

弁護士 時田 剛志
弁護士 遠藤 吏恭