財産分与だけが争いになっていた事例で、相手方に弁護士が就いていたにもかかわらず、軟化した早期解決をすることができた事例

紛争の内容
依頼者は、妻との間で離婚することには同意できていたものの、財産分与の内容がまとまりませんでした。

そして、妻側弁護士が就任して受任通知書が送られてきてしまったため、私に相談にいらっしゃいました。

交渉・調停・訴訟等の経過
本件は、不動産が主な財産分与対象財産でしたが、その購入原資が依頼者の特有財産であったため、複雑でもめることが想定されました。

実際、妻側弁護士からは、財産分与どころか、もう離婚届けを出すことまで同意していたはずであったのに婚姻費用を請求されたりと、無茶で強硬な主張が続きました。

しばらくすると、強硬な姿勢をしていた弁護士は、かえって問題解決を遅らせる原因であると妻から判断されて解任されるに至りました。

そこで、私が妻と長い時間・何度もにわたり、丁寧に丁寧に電話することで、私がむちゃくちゃなことを言っているわけではなく、公平に早期解決をする意図があることを理解していただき、信頼関係を醸成することができました。

本事例の結末
最終的に、私から詳細を説明した(×主張した)書面をお送りし、電話で説明するフォローをしていきました。

その結果、私の説明内容に嘘がないと思っていただき、無事私の作成した離婚合意書をもって、離婚することができました。

本事例に学ぶこと
本件の最大の勝因は、早期解決を目的として、相手を陥れることなく、丁寧に丁寧に対話を重ねて信頼を勝ち取ることができたことにあります。

当然弁護士は依頼者のために行動しますが、不当にむやみに攻撃的な主張をしたところで、依頼者の利益に反することがしばしば見られます。

そこで、手間はかかりますが、相手方との丁寧な対話を通じて、早期に納得できる解決をすることができました。

弁護士 平栗 丈嗣