紛争の内容
依頼者X(男性)は、妻であるYが職場の男性と不倫していたことを知り、Yと離婚することを決意しました。
XはYと別居し、XY間の子どもA(高校生)は、A自身の希望もあり、Xと同居することになりました。
その後、XYは離婚調停で話し合いを行いましたが、YもAの親権を主張したため離婚条件で折り合いがつかず、離婚訴訟になりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
親権に争いが生じたため、家庭裁判所において調査官調査が行われました。
Aは高校生であり、自らの意思をはっきりと言える年齢であったことから、調査官はAと面談をして、その意向を調査しました。
その結果、Aは、父親であるXとの同居を希望しました。
本事例の結末
Aの意向を踏まえ、調査官は、親権者はXとすべきとの意見書を提出しました。
そのため、裁判官もAの親権者はXにすべきとの判断になりました。
本事例に学ぶこと
親権が争いとなる場合、協議や調停だけでは解決に至らず、訴訟に移行するケースは一定程度あります。その場合ポイントになるのは調査官調査です。調査官調査が行われると、最後に家庭裁判所の調査官の意見書が出されますが、基本的には裁判官もその意見に従った判断を行います。
今回は子どもが高校生で、はっきりと意見を述べたことから、無事親権を獲得することができました。
いずれにしましても、親権の争いが生じた場合には、専門的な視点からの主張やサポートが必要不可欠かと思います。親権でお悩みの場合は、是非一度弁護士に相談いただければと思います。
弁護士 小野塚 直毅