モラハラ妻との離婚条件を対等に取り決め、調停で離婚することができたケース

紛争の内容
モラハラ妻による交友関係の遮断、日常的な不平不満による心理的プレッシャー、子を巻き込んだ精神攻撃に心底疲弊したご主人は、きょうだいの一人を連れて出て行った妻との離婚を決意しておりました。

妻側からは、「夫婦円満調停」を申し立てられました。

しかし、これを機に、離婚を進めたいと考えていた夫は、離婚を進めたいが、相手が弁護士を付けているので、不利になってはいけないと思い、弊所の弁護士を代理人として立てることを選択されました。

弊所の弁護士は、ご主人の味方として、種々の援護を行うことになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
調停では、妻側からの数々の不平不満が述べられたと伺います。

調停委員を味方につけるため、こちらは、スマートに与えられる時間をまもり、必要な範囲で適度な反論を加えつつ、「不平不満」をむしろ利用して、それだからこそ離婚しかないのではないか、という方針で説得を進めました。

何度か調停は行うことになりましたが、結局、荷物の引き上げなども進み、離婚を前提とする条件面の話合いに持ち込むことができました。

条件面は、収入が多い夫が養育費(きょうだいは一人は妻、一人は夫)を払うことになりますが、通常の算定表では、具体的な金額を算定できません(注意)ので、専門的な計算式を用いて、適切な金額を算定しました。

※たまに調停委員も間違うことがあります。弁護士がいなければ、気付いたときには不利な金額で調停を成立させてしまったという嘆きの声を伺うこともあります。

財産に関しても、お互いの開示を進め、疑いがあればきちんと指摘して、適正な金額を取り決めることができました。

本事例の結末
最初の妻側の勢いや夫側の反論の内容からは、裁判も視野に入れる必要があると思われましたが、調停をうまく利用して、気持ちを離婚に向けることができ、条件面も不利を強いられずに離婚が成立したことは大きな成果でした。

本事例に学ぶこと
よく、「弁護士に頼んだ方がよいか」と聞かれることがありますが、多くのケースでは、「そのとおり」です。

たしかに費用はかかりますが、弁護士に依頼せず、知らなかったことによる大損をするケース、あとから覆せない和解をしてしまい、泣き寝入りをするケースもあり、私たちも歯がゆい思いをすることもあります。

離婚問題で弁護士に依頼することは、人生においてそう多くはないと思います。

それゆえ、人生を左右する離婚問題については、法律の専門家である弁護士、もっといえば、離婚事件を多く手掛けている弁護士に依頼されることが、適正な解決に繋がるものと自負しております。

弁護士 時田 剛志