配偶者が複数人と不貞関係にあったという事案についてそれぞれの不貞相手から慰謝料を回収したケース

紛争の内容
配偶者が似たような時期に複数の人物と不貞関係にあることが判明した、配偶者は不貞の事実を認め離婚となったが、不貞相手に対して慰謝料の請求がしたいとのご相談でした。

配偶者が作成した不貞の経緯に関する書面や不貞相手とされる人物とのLINEのやり取りから不貞関係に間違いはないようでしたので、交渉事件の代理人として受任しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
それぞれの不貞相手に対して慰謝料請求を内容とする書面を送付したところ、書面は受け取るが反応はないというパターンと住所が変わっているため書面が届かないというパターンに分かれました。

後者については現在の住所を調べ再度書面を送付しましたが、書面は受け取るが反応はないというパターンに移行しただけでしたので、やむを得ず、それぞれの不貞相手に対して訴訟を提起することにしました。

本事例の結末
それぞれの不貞相手に訴状が送達され、一方の訴訟は本人が対応し、もう一方の訴訟は代理人が対応することになりました。

前者については不貞相手が不貞関係を認めましたが、後者については不貞行為の回数や既婚者の認識等について争うという流れになりました。

訴訟上のやり取りを重ねた結果、いずれも最終的には和解での解決となり、それぞれの不貞相手から合計100万円以上の慰謝料を回収することができました。

本事例に学ぶこと
あまり多くはないのですが、配偶者の不貞関係が複数人との間で発生しているという場合が存在します。

その場合、不貞相手のそれぞれについて慰謝料請求を行う必要があり、協議での解決が難しいようであれば、それぞれに対して訴訟を提起することを検討することになりますので、可能であればすべての不貞相手についてその連絡先等を把握しておくことが重要となります。

弁護士 吉田 竜二