紛争の内容
依頼者は、妻との夫婦生活に限界を感じており、一刻も早い離婚を望んでいました。しかし、民法上の離婚事由がない一方、妻は離婚を拒んでおり、弁護士に相談するに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
依頼者と時間をかけて話し合い、どうしても譲りたくないこと、譲っても良いこと、離婚したくない妻を説得するだけの材料として何があるのか、検討していきました。その結果、清算的財産分与にあたり、通常あるべき半分ずつ分けるやり方とは異なる妻にとって圧倒的に有利な条件を提示することでの離婚を説得することにしました。
妻にアプローチしたところ、妻にも弁護士が就きました。そこで、相手方弁護士に対し、いかに妻にとって有利な条件での離婚を希望しているのか、丁寧に説明することで妻の離婚意思を得ることができました。
本事例の結末
最終的に、依頼者がここまでなら出しても良いという条件を提示することで協議のみによるスピード離婚をすることができました。
本事例に学ぶこと
相手方が離婚を希望しておらず、民法上の離婚事由がないからといって、すぐに諦めるべきでではありません。相手に有利な条件を提示することで途が開けることがあり得ます。本件は、まさに作戦が成功し、とにかく早期に離婚をしたいという最大目標を達することができた事例となりました。
弁護士 平栗 丈嗣
