事案の内容
性格の不一致からAさんは離婚を考えましたが、配偶者であるBさんは、離婚をしないと述べていました。
Aさんは共同生活に耐え兼ねて、別居をすると、すぐにBさんから婚姻費用の負担をするように請求をされました。Aさんは婚姻費用を1年程度支払い続けていましたが、このまま婚姻関係を継続していくよりも離婚をした方が良いのではないかと考え再度離婚をしたいと申入れをすることにしました。
事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
当初Bさんは離婚に応じないとしていましたが、再度の申入れにおいては、ある程度の金銭的な援助をしてもらえるのであれば、離婚をするとなりました。
Bさんの請求金額は、財産分与で分ける金額を超えたかなり大きな金額でした。
本事例の結末
Bさんからの要求には応えたくても応えられない事情を丁寧に説明し、財産の状況を全て明らかにしたうえ、Bさんの要求には応じられないとしても、Bさんに有利な金額の提案をしました。
その結果、互いの話合いがまとまり離婚をすることになりました。
本事例に学ぶこと
一見すると、持ち出しが多い離婚のように見えるかもしれません。しかし、本件では法律上定められた離婚原因が認められるほどの大きな事情はなく、そのことを考えると離婚の訴訟をすることの負担や、婚姻費用を継続して支払うことの負担は大きいものでした。この負担を考えると、金銭的には一見すると大きな負担があるのかもしれませんが、早期の離婚という結果(婚姻費用の負担から免れることができた)を得るための意味のある選択であったと考えられます。